1 佐 護
佐護を特徴づける季節としては春がある。特にゴールデンウィークの頃ともなると以前は対馬に多くのバーダーがつめかけて来ていた。そして、その多くが 佐護を訪れた。近年、対馬に匹敵する探鳥地が全国で開発されたためか、ほとんどバーダーを見かけなくなった。また、対馬の中でも、新しく開発された場所が増え、以前は、有名だった舟志や田の浜、佐護などは閑散としている。
それでも、佐護は、一級の探鳥地であることに変わりはない。対馬最大の平野には、2月になると早くもマナヅルの北帰行が見られる。さらに、3月になるとナベヅルの大群と、それにしばしば混じるクロヅルの姿が。そして、ヤツガシラが見られるようになる。4月、5月はセキレイ類が多く見られ、キガシラセキレイもしばしば記録される。サギ類には、アカガシラサギやカラシラサギがよく混じっている。
秋も見逃せない季節だ。近年、ハマヒバリが観察され、ノドグロツグミやズグロチャキンチョウ、ユキホオジロ、ベニヒワ、シベリヤジュリンも見られている。さらに、ガン類は毎年のように観察される。
冬は、オジロワシやオオワシが見られる季節だ。大陸に近いせいか、カタシロワシやクロハゲワシの記録もある。海に目をやると、ウトウやシノリガモが度々見られている。とはいえ、寒さの厳しい対馬は、種類も数も少ない。しかし、ヤマヒバリなど、ここで見られた希少な種類もいるので、まだ見ぬ大陸からの訪問者を探したりするのも一興かなと思う。
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