長崎の探鳥地
6 大瀬崎
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大瀬崎灯台と断崖
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大瀬崎上空のハチクマ
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環境
五島列島の福江島で、南西部に位置する玉之浦町にある
大瀬崎の海岸は、強い北西の季節風が吹きつけるところで、延長15km
にも渡って断崖が続き、その岩肌と青い海と白い灯台のコントラストが
美しく、五島・福江島を代表する観光名所となっている。
ここは、もともと探鳥地として親しまれていた所ではなかったが、 1989年に長崎県支部の会員によって、ハチクマの大群が渡ることが発見された。その後、
長崎県の佐世保市や北松浦郡の冷水岳を通過した後、五島列島を南下し 最南西端の大瀬崎から男女群島が位置する南西方向への海上を渡ることが明らかになり、それを知った多くのバーダーが訪れるようになった。近年、渡りのピークである9月下旬になると、大瀬山山頂の展望台は、足の踏み場もないくらいに混雑している。
福江島でハチクマの観察ができるところは、ハチクマの入り口である
北東部の高岳や笹岳、中央部の八本木山、七ツ岳、父ヶ岳、桐木岳や二本楠、
そして、南西部の荒川などもある。
大瀬崎からは北に位置する島山島、観音崎、そして嵯峨ノ島、西に位置する 星山などの上空を舞うハチクマや、付近の山にねぐら入りしていたハチクマが 飛び出す様子などを観察できる。もちろん、大瀬崎を最後に飛び出していく ハチクマの群を間近に見ることができる。
みどころ
9月中旬から10月上旬に多くの群で渡るハチクマを、是非、
観察してほしい。特に、9月下旬は渡りのピークを迎え、1日に1500羽を
越える日もある。
ハチクマ以外のタカ類で最も数多く観察されるのは、アカハラダカである。
時期は9月上中旬である。チゴハヤブサ、ハイタカ、ツミ、サシバなどの渡りや
ハヤブサ、ミサゴも観察できる。
そのほか、小鳥の渡りも見られる。サンショウクイはその中でも最も目立ち、
鳴きながら数羽の群で飛び回っている。
アマツバメ、ハリオアマツバメの群も多く、猛スピードでかすめ飛ぶ。
また、コムクドリ、ヒタキ類、セキレイ類、ムシクイ類なども渡っているので
注意深く観察する必要がある。
時に、ハイイロオウチュウやコウライウグイスなども観察されている。
交通
島内の交通は、定期便はあるが便が少ない。レンタカーを
借りた方が便利。レンタカーは空港や港で確保できる。大瀬崎へは福江市内から
車で約1時間。ガソリンスタンドは日曜休業となるので要注意。
駐車場は大瀬山山頂付近に約20台。山頂展望所まで徒歩2分。
朝早く、ハチクマのねぐらからの飛び立ちを観察するには、観察地に近い玉之浦
町に旅館や民宿があるし、車で約30分の荒川には温泉旅館などがあるので、
これらを利用すると良い。
五島列島の海の幸に舌鼓をうち、中国大陸へ向けて飛び立つハチクマを見送るのは
格別だろう。